弱さを知りそれを埋めていくことに勝機あり
『ひらめき教室 「弱者」のための仕事論』 松井優征&佐藤オオキ (集英社新書)
タイトルにひかれて購入しましたが著者のお二人は、私の勉強不足、情報不足のため、はじめてお名前を知った次第。いずれの方も大活躍されているのに・・・。
とは言いながらも、松井優征氏は大ヒット漫画「暗殺教室」の作者で、佐藤オオキ氏のデザインも見たことがあるなあと。
この二人の仕事論は才能ではなく、自分の弱さを知ることから始まるというもの。それを読むと共感する部分もあります。私なんかも心配性なので、未知のことだと、いろいろなことが漠然と見えてこないと足踏みしてしまうことがあるし、漠然と浮かんだイメージを必死で埋めていき安心していくということが多いと感じているので。
この気の弱さ?を自負する注目の若きトップランナーが、バリバリ実績を出しているのは脱帽するばかり。弱い、怖いというのは逆説的に、それを認識し意識し、そこから逃げることなく、その部分をしっかりと埋めていけば、逆に強くなるし怖くないということになってきます。
ロック界の大物で私が好きな矢沢永吉氏も、コンサートになるとステージが怖いので、しっかりと事前にトレーニングをしていくという発言をしています。つまりすごい人ほど、自分の弱さをしているので、そこに向き合い、粛々とそれを埋めていく作業をしているということ。
私なんかより全然若い二人に、学ぶこと多し。
<本書から学んだこと>
●松井氏談
『大して才能がない人間がこの業界で生き抜くにはどうしたらいいか。そのためには他の能力を磨く。「生き抜くためには何でもするぞ」という覚悟を持つ。そして、考えて考え抜く。そういう姿勢を身につけました。』
●松井氏談『ネガティブな思考は、自分に慢心せず油断しない姿勢にもつながっている。使いどころが変われば、役に立たなかった能力も一気に才能に変わる気がしまして、それを含めて運があるんじゃないかなと思うんですよね。』
●佐藤氏談『「どこかにチャンス転がっていないかな」と常にチャンスを探し求めているところには、チャンスは余裕ある素振りでそっぽを向く。逆に何か一つのことに無我夢中になっているところに対しては「もうちょっと私のことを見てよ」と嫉妬してチャンスの方からすり寄ってくる。だから、「俺、運がないな。チャンスが巡ってこないよな」と嘆いている人よりも、何かに集中している人の方がチャンスを掴む可能性は高い。つまり結構、努力量に運は比例するような気がするんです。』
ひらめき教室 「弱者」のための仕事論 (集英社新書)