時代を読む眼が本物であるということがわかる
『インターネット的』糸井重里(PHP文庫)
この糸井重里氏の本、10年以上前に書かれたそうで、当時はそんなに売れなかったけれども、この時代になって、当時、糸井重里氏が発言していたことその通りじゃない?と評判になり文庫本化されたそうです。
それにひかれて、私も本を手にしたのですが、糸井重里の先見性の視点や感性がなるほどね~と思わせるところ多々あり、これは評判になるわな、と。そして、「ほぼ日」を上場させるなど、実績もあり一言一言が説得力があります。
糸井重里氏といえば、私は40年以上も前の西武百貨店の「不思議、大好き」や「おいしい生活」という歴史的コピーが、いまだに真っ先に浮かびます。それだけ、インパクトが強かったということと、このコピーで西武にあこがれ的な視線を送ったものですし、憧れの職業としてコピーライターの道へ進んだ人も多かったと思います。
その時々に流行った音楽を聞くと、その時代にタイムスリップしやすいのは音楽の持つ根源的な力です。でも、言葉だとなかなかそうはいかないと思うので、逆説的に糸井重里氏が生み出したコピーが、どれだけの威力を持っていたのかがわかるのです。
さりげなくインターネットに関する環境について書いている糸井さんの言葉。
○○○すべき、とか、○○○が効果的とか、よくwebについて言及したものにあるように、分析的ではなく、また、読者を煽るような言葉も一切使わず平易な文章で、スマホを通してインターネットに接続することが当たり前、空気のようになった時代に、まるで現在の今を予言していたかのように書かれているので、さすが、本物の方と強く感じた次第。
奥深いです、糸井重里さん。
インターネット的 (PHP文庫)