女神のあれこれを調べると現代の魔女に辿りついた

モダン・ウィッチクラフト

女神を調べると魔女というキーワードにぶつかります。女神と魔女、似てるようで真逆のイメージがあるのですが、調べていくと現代の魔女といわれる人たちは女神信仰と密接に結びついているのがわかってきました。現代の魔女は、中世から近世ヨーロッパで広まった魔女狩りが行われたキリスト教が思い描いてきた邪な魔女とは違うものだということ。

そこでスーザン・グリーンウットさんという宗教人類学を研究する方の本を手に取って見ました。この本は、400ページあるかなり分厚い本なので、すべてを読んだわけではありません。「現代のウィッチクラフト」とカテゴライズされた部分を調べてみました。

モダン・ウィッチクラフト(現代の魔女)とは、自然との調和を探求するスピリチュアリティの一形態であり、自然への畏敬と環境保護意識が高いホリスティックな作法を追及している一群をさしているということです。その流れは1950年代からとまだ新しく、ジェラルド・ガードナーがその創始者であり魔女宗とも呼ばれ、カヴン(魔女団)という小集団で形成されている運動です。

それはキリスト教以前の古代にあったペイガニズム(異教信仰)における魔術の実践群にその流れを見出し、ペイガニズムと魔女像を一体化させたものなのだと。考古学的には、まだまだ実証されてはいないそうですが、偉大なる神話学者ジョーゼフ・キャンベルが言及している母権性時代に起源を持ち、グレートマザーとしての女神と有角神としての男神の2つの神性の聖なる結婚が、そのベースにあると。

男神、女神、そして自然の精霊を召喚することができる聖なる儀式の輪(サークル)の創出を基調とする信仰が、上記のジェラルド・ガードナーが創出した魔女宗。それは自然の力や威力の顕現である男神と女神との躍動する相互作用の形を持つ自然プロセスであり、神話のサイクルへと結びつく。女神の顕現が土地そのものであり、環境保護、自然保護へと展開していく活動でもある。

この女神崇拝は、ヨーロッパにおける初期農耕社会では優位にあったものの、好戦的なインド・ヨーロッパ語族による侵略を受け、信仰の対象も天を統べる男神へと変わっていったというのです(この流れは、上記のジョーゼフ・キャンベルの書籍にも見ることができます)。

つまり、現代の魔女、モダン・ウィッチクラフトは原始宗教の女神と男神を信仰し、自然回帰の活動をしている人達を指している。おとぎ話や映画に出てくる魔女のイメージとはちょっと違うようです。むしろ現代のスピリチュアルな活動に似ている部分があるんです。

関係ないですが、UQ mobileの新CMとして魔法学校の三姉妹美人先生という設定で、深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんが演じています。モダン・ウィッチクラフトとは少し違うのかもしれませんが、<魔女>は女性を表現する場合のキャラクターとして定着しているひとつの現れなかと(笑)

Follow me!