アルゼンチン、戦慄的な犯罪を描いた新感覚な映画

映画「永遠に僕のもの」(2018年)

■製作年:2018年
■監督:ルイス・オルテガ
■主演:ロレンソ・フェロ、チノ・ダリン、メルセデス・モラーン、他

アルゼンチンでヒットした映画、題材は1971年、アルゼンチンで少年がなんと12名以上を殺害した実際に起きた連続殺人事件がモデル。カルロス・エディアルド・ロブレド・プッチという人物がその犯人。少年による大量殺人の戦慄的な事件、それを製作したのがアルゼンチンの映画。

アルゼンチンの映画とはなかなか馴染みがない印象ですが、この映画に関しては抜群のセンスが至る所に感じられました。

主人公のカルリートスはまだ10代のどちらかというと少年に近い。マリリン・モンローに似ているなんて台詞がありましたが、なかなかの美少年。その少年が怪物としかいいようがないモラルが欠如した存在で、自分が欲しいとおもったものは、なんら心の障壁がなく軽々と犯行に及んでします。

そして殺人まで犯すようになるのですが、そこには善悪の葛藤がない。まったくこの少年は、なにを考えているのかがわからない・・・、そんな様子を映画は淡々と描いていきます。一体、この少年を生み出してしまったものはなんなのか?そうした要素はあまり語られません。ひと昔の日本映画(最近の映画は見ていないので)だと、原因は貧困だった・・・とかそんな感じになるのですが、この映画はただただ淡々と描くのです。

道徳性とか、人間性とかそうしたものを排除し、音楽にのせて人の目をかいくぐりっていく不思議な感覚の人物像を感じさせた映画でした。

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