日本映画史に燦然と輝く不朽の名作を立体的に振り返る試み
映画『羅生門』展(国立映画アーカイヴ)
先日、日本が世界に誇る映画監督・黒澤明のドキュメンタリーを見ていたら、あらためてその凄さに感服しました。黒澤監督は晩年まで製作意欲は衰えず、世界の人たちを魅了した映画を数々作りました。
その中で、黒澤明監督を一躍世界で有名にしたのが映画「羅生門」です。今から70年前の1950年に製作され、翌年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、さらに52年にはアメリカ・アカデミー賞名誉賞を受け、日本の映画界に黒澤明ありを世界に知らしめたのでした。
戦後復興の中で、このニュースは日本人を勇気づけたことでしょう。私は61年生まれなので、私がこの世に存在する前の日本に起こった快挙でした。
京橋の国立映画アーカイブではその映画『羅生門』展を開催しており(12月6日まで)、それを観に行きました。
この「羅生門」は、芥川龍之介の「藪の中」「羅生門」を原作に、斬新なカメラワークと構成で多くの創造者たちにインパクトを与えました。そのことがわかる内容で、70年前、映画作りに情熱を注いだ黒澤明の熱意が伝わってくるようでした。
黒澤明の映画づくりに着目したNHKで放送されていたドキュメンタリーとともに、この展示を見ていると、無心に、一生懸命、情熱を注いて何かに取り組むことの大切さ、そんなことを遠巻きですが教えてくれるものでした。
羅生門 デジタル完全版 [Blu-ray] 公開70周年記念 映画『羅生門』展