脳室反射鏡というタイトル、何?っと魅せられて・・・

『脳室反射鏡』展(練馬区美術館)

駅のホームで印象的なポスターを見かけ足が止まりました。場所は練馬区美術館『脳室反射鏡』とある。式場隆三郎?誰だ?『脳室反射鏡』というこの奇妙なタイトルに惹かれ、その展覧会を見に行ったのです。

式場隆三郎とは新潟県生まれの精神科医であり、医業以外にも様々な文化的なことを手がけたマルチな今でいえばプロデューサー的な人だったようです。その著作は200冊、近代日本の芸術観の形成に多大な影響を与えた凄い人だったのです。(展覧会は2020年12月6日まで)

その活動業績は驚きで、日本にゴッホを本格的に日本に紹介したのが実はこの方。複製画によるゴッホ展を企画し、ゴッホの絵をモチーフの浴衣まで作っている。今のゴッホ人気の火付け役は彼であり、本を日本を代表する評論家の小林秀雄に貸したことにより、名著「ゴッホの手紙」が生まれたというエピソードもあるくらいです。

さらには早くからマルキ・ド・サドに注目していた式場は、あの三島由紀夫にも影響をあたえ今でも度々上演される「サド侯爵夫人」の戯曲を書いた。また世界的なアーティストとなった草間彌生のデビューを支援し、映画にもなり国民的作家、裸の大将こと山下清にも関わっている。あるいは障害の持つ方の美術作品アウトサイダーアートの概念を導入したのも式場氏、イットというセクシャルな問題の執筆も多くカストリ雑誌にも寄稿している・・・という具合です。

とにかく式場隆三郎という方は精神科医の枠組みを越えて日本文化の有り様にマルチな影響を与え活躍を見せたすごい方であったのが、よくわかりました。この多様なる好奇心と行動力に刺激を受け勉強になりました。

ちなみに私が一等最初に興味を持ったタイトル『脳室反射鏡』は式場氏の著作本から取ったものであるとのこと。ネーミングもユニークなのである。

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