古代ケルト文化を題材にした不思議な映画

映画「ウィッカーマン」(1973年)

■製作年:1973年
■監督:ロビン・ハーディ
■出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、他

私がこの「ウィッカーマン」を知ったのは新宿k’cinemaで開催された「奇想天外映画祭」のチラシを見たことによります。古代ケルトに題材を得たこの映画の存在を知り、見てみたいと映画館に行ったのですが、満員御礼で入れず、2度めに行った時も同様に満員で入れずと、そんなに映画ファンにとって気になる映画なの?とますます気になった訳です。

この映画は古代ケルトの原始宗教を信じる閉鎖的で奇妙な島の住人たち、行方不明者を探すために、そこに紛れこんだ敬虔なキリスト教徒の警察官という設定になっています。吸血鬼ドラキュラを演じ有名なクリストファー・リーは新天地の映画を創作に関わっているようですが、基本的なジャンル的にはオカルト怪奇映画の分野となり、島民たちはどこか異様な感じて描かれています。

私はこの映画を見ていて話題となった「ミッドサマー」を想起しました。あの映画も古い宗教を信じる閉鎖的な場所で起こる話でした。「ミッドサマー」では、北欧の古代文字ルーンが使われていました。

そしてこの映画ではケルト文化におけるウィッカーマンが描かれます。ウィッカーマンとは、豊穣を祈るために木で大きな人型の枠組みを作り、そこに動物を入れ生け贄として燃やしたという伝説です。どこまで事実かわかりませんが、さらにはそこには囚人といった人までもが生け贄として捧げられたという話まであるのです。

映画としては野蛮な原始宗教として描かれているものの、行方不明者を探しに来た敬虔なキリスト教徒の警官の、異教扱いと高圧的な態度が、微妙に弾圧感を感じずにはいられませんでした。

警官は彼らが信じる多神的で自然そのものを信じる宗教をペイガンと呼んでいました。ペイガンとはキリスト教以前の宗教を下げずむ差別的用語とどこかで読んだことがあります。その警官のキリストを絶対視し異教としてみる姿勢、考え方のベースにあるものが、もしかしたら中世の魔女狩りに通じるものがあるのではないかと疑ったりしました。

ところで、横溝正史の小説、映画を見ると、日本の閉鎖的な村にはおおっぴらにできない隠し事があり、底辺にどろどろしたものがあり、おどろおどろしく描き物語を構成しているのですが、この「ウィッカーマン」もテイストは違え同様の描きかたに近いなと思うのでした。

そして、毎回大騒ぎとなるハロウィーンは、もともとはケルト文化の風習がベースになっているということも忘れてはいけないだろう。


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