レトロな空間で出会う私にとってのお宝?
『東京古本とコーヒー巡り』(交通新聞社)
書棚をみているとこんな本を見つけました。私は時々、古本屋を覗くのが好きです。
それは、まず、雑然と本が置かれた書棚を見ると数ある書籍のジャンルのなかで店主がどの分野に力を入れているのか?というのがわかることがわかります。自分の興味のあるジャンルがあり、その品揃えが、とてもこだわっていると、その棚から形成されている一つの知的迷宮というか宇宙のようなものを感じることができるのです。そうした店を見つけた時は嬉しくなります。
そして何よりも惹き付けられるのは、私がまだ若かった頃に、書店で見つけた本に興味がとてもあるのだけれど、3000円とか5000円の値段がついていて、高価で買うことを何度もためらった記憶がある本に出会うことがあることです。
経年劣化しているわけですが、20代の頃は立ち読みでしか手に取ることができなかった君にまた数十年の月日を経て出会えたね、って感じです。
古本屋さんというのは、なかなか商売としては厳しいんでしょう。私が好きだった店が無くなっていることも度々。そしてコロナ禍でさらに打撃を受けているんでしょうね。本好きの私としては残念なことです。やっぱりAmazonで買うのも便利でいいのですが、散歩がてら足を動かしての本との出会いも味わい深いものです。
私の本棚には30年前に京都大学の近くの古本屋で購入した心理学者のユングの本が今でも後生大事に鎮座しています。もう数十年、その本を開いて言いませんが、学生時代に書店では買えずに、古本屋で見つけたもの、たぶん1000円も違わないのですが、当時の私としては天と地の差ほど大きかったんだと思います。処分できずに引っ越しの度に持っていきます。京都大学の近くで購入したというのも、賢くなった気分がした記憶が残っているのかも知れません(笑) なので、もはやインテリアの一部ということなんでしょうか・・・。
デジタルとアナログの上手な使い分けが、あらためて必要なのかなと思ったりします。