イエスの血脈の真偽はさておき、何度読んでも面白い本

「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン(角川書店)

世界的ベストセラーとなったダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」を再読しました。当時もワクワクして一気に読みましたが、その面白さは変わらず。

この本がきっかけで、キーとなるシオン修道会の歴代総長のリストそのものの真偽が、現実の世界で問われる事態になり、それはある人物のでっちあげ?という顛末に落ち着き?真相は闇の中へとなりますが、それでも、この「ダ・ヴィンチ・コード」の仮説はスリリングです。

まさかのダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に隠された暗号という設定が美術界もびっくりするような話ですから・・・。それは、有名な美術作品の鑑賞の仕方に一石を投じたものだったに違いありません。

小説のように「最後の晩餐」の絵を読むこともできるけど、それは飛躍しすぎの解釈なのでは?と、様々な意見を飛び交わさせた功績はあると思います。もしこの本が出てベストセラーにならなければ、今のような裏の歴史、事実は実際どうだったのか?と学術的な研究を超えて探っていく現象は、ここまでにはなっていない気がします。

学術研究がすべて正しいのか?というと、そうではない部分もある。事実は思いもよらないところにあるのかもしれません。とにかく、この本には、ごく一部の人かもしれませんが、人の意識と興味の方向性を変えていく衝撃があったということです。

イエスの血脈の真偽は、ここでは、どうであれ、イエスという存在の大きさは揺るぎない。それよりも、この本に出てくる様々な解釈があらためて再読すると面白い。

たとえば、マグダラのマリアのくだりは、もちろんのこと、安倍晴明でも知られる五芒星が、薔薇の象徴であり女性を表しているとか、イスラエルの国旗にもなっている六芒星が、男性の象徴=△と女性の象徴=▽の陰陽合体であるというのは、興味深いものです。なぜなら、陰陽合体は道教における「タオ」の象徴があり、六芒星と同じなのだということになってくるわけですから。

ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版

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