「任侠 愚狂に死す」まさにタイトルのような人
私の知人に、新垣玄龍さんという方がいます。元・沖縄のヤクザの組長をしていて、そこから出家して仏門に入り、現在は僧侶整体師として活動されている方。その新垣さんが自叙伝的な本「任侠 愚狂に死す」を出されました。SNSでそのことを知り、手に取り読んでみました。
断片的に新垣さんが歩んできた道は、彼の口から聞いていたけど、あらためて本を読み、すさまじい修羅の道を歩んできたんだなと感じました。そして、振幅の幅が尋常じゃない。新垣さんと出会ったのは、ヤクザから足を洗い、出家してミャンマーで瞑想修行をして、伊勢に居を構えてから、ある方から、ご紹介していただいたのが縁。
ヤクザ時代に刑務所に服役中に独居坊に入れられ、閉鎖空間で精神が崩壊していくのを体験し、ひたすら瞑想、そこで光に包まれる覚醒体験をして、ヤクザという鎧で武装していた自分の弱さに気づき、仏門に入ったという、並みの人生ではないその経歴に惹かれたわけです。
そこで私は、新垣さんと、彼が修行をしたミャンマーの寺院に行き、そこで少しばかり瞑想を体験しよう。原始仏教の形態が残っているテーラワーダ仏教を見るというような、ツアー企画を思いつき、一緒に、視察でミャンマーに行きました。本にもでてくるのですが、彼が修行したところは、密林の中にある寺院でした。残念ながら本番ツアーは、直前に私が大腸の病気になってしまい、飛行に乗れるような状態じゃなかったので別の人に代行で行ってもらったのですが。その後、ミャンマーは、軍事政権になって内乱状態になってしまったので、あの時お世話になった人は、どうなったのか・・・。
生々しい修羅の体験を綴った本は、本人を知っているだけに、小説を読むより迫真に迫ってきます。こう書いたら失礼かもしれないけど、手塚治の「火の鳥」にでてくる我王を想起させるような、人生を送っているなあ、と。そんな破天荒さは、東京新聞Web版記事がわかりやすい。
新垣さんは、冒頭に心の多面性のようなことも書いているが、そうした面は誰にでもあることだと思う。多面的な自分がいるということを知ることは大切だと思う。一気に本を読みましたが、その感想は、業が深く?さ迷い続けるも、トコトン極めようとし、頭の回転も早いだけあって、ヤクザ世界のトップに駆け上がった新垣さん。だけど、獄中で自分の弱さを知り、心のありようが人生を決めていくのだなということを、気づき変化していく過程が、ドラマチックだなと思うし、選ばれた人なんだなと思いました。
新垣さんと出会ったのは、変化後なので、普通にタメ語で会話してるけど、もし彼が現役だったら、とてもじゃないけど、ビビりまくりでしょう、私 笑.自分の枠をはずしたい、人生を劇的に変化させたいと思う方は、なんせ尋常でない強烈な実践体験がある本なので、まずは新垣さんの本を読んでみることをオススメします.
「任侠 愚狂に死す」新垣玄龍・著