♪リリー・マルレーン♬ 哀愁ある歌が響く・・・

映画「リリー・マルレーン」

■製作年:1981年
■監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
■出演:ハンナ・シグラ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、メル・ファーラー、クリスティーネ・カウフマン、他

私はドイツのハンナ・シグラという女優を、心の奥底で、なんて素敵なんだろうとずっと思っていました。その原因がわかりました。それは40年以上前に、ライナー・ヴェルナー・ファスビンター監督の映画「リリーマルレーン」を見たのですが、それが歴史に翻弄される男女の愛の話で、それでも力強く生きていく、その彼女の姿勢が、歌声とともに女神に見えてしまって無意識の底にイメージとして焼き付いているいるのだということに、今回この「リリーマルレーン」を見て気付きました。

この「リリーマルレーン」という映画ですが、私が学生の時に見たことがあり、哀愁あるリリーマルレーンのメロディと第二次世界大戦の映像が被る映像は鮮烈に記憶していたのですが、大まかなストーリーはすっかり忘れてしまっていました。それでも学生の時に見た印象が主演のハンナ・シグラを女神のイメージとして残像として私の心に残したということ。

ハンナ・シグラ演じる主人公のビリーという女性はアーリア系のしがない歌手、彼女にはユダヤ人の音楽家の恋人ロバートがいるも、ドイツではナチズムが一色なり、反ナチスの運動に身を投じているため、2人でいることができなくります。

ビリーはやがてリリーマルレーンという歌に出会い増すが、戦時のため暗い歌は受けないとアドバイスもありますが、ナチスの占領地のラジオ放送で流れたことにより火がつきます。戦場にいても兵士らは愛を求め飢えているるのです。

ビリーは、それを歌うことにより一躍人気者になります。このリリーマルレーンという哀愁ある恋の歌は、兵士らの胸にささり、歌が流れると一瞬、その歌に酔いしれ、戦いが止まるというエピソードがあるくらい。ビリーはナチスの幹部から、大きな比護を受けます。しかし彼女の心はずっとユダヤ人の音楽家ロバートのことを愛し続けていたのです。

ビリーは彼ら反ナチスの行動を助けるため、そこには政治的心情はなく、ただ男を愛している、少しでも役にたてるならという理由で、身の危険も省みず、強制収容所のフィルムを運ぶ役目を請け負います。その行為が怪しいとナチスに目をつけられて、ロバートはナチスに捕まってしまいます。捕まったロバートは密室でリリーマルレーンを延々と聞かせられる拷問の攻め苦を受けます。

やがて終戦を迎え、ロバートは元は資産家のユダヤ人の一族、父親が用意した他の女性と結婚し、また、指揮者としても大成功します。そのコンサートを遠くから嬉しそうな目で見ているビリー、しかしそこにロバートの妻が現れる。ビリーはその場を足早に去っていく。

誰が悪いわけではない。ただ歴史に翻弄された男と女。愛に、そして歌に力強く生きたビリー。リリーマルレーンのメロディとともにハンナ・シグラの可愛さが、今回久しぶりに見て、やはり女神のように映り、きっと若い日の自分は今回見た感じと同じような印象を持ったんだろうな、と思ったのです。私的にはいい映画でした。

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