妖怪の不思議な魅力、日本文化と人間の想像力を探れ!

定期的に訪れる妖怪ブーム。妖怪とは一体、なんなんでしょう?妖怪は日本文化や人間の心性に深く関わる存在であり、その定義や歴史や文化については様々な研究がなされてきました。この映像では、妖怪に関する3人の鉄人から、その考察のヒントを得たいと思います。

まずは、民俗学というジャンルを築いた歴史的人物の柳田國男氏の『妖怪談義』から。柳田氏は、妖怪と幽霊の違いについて語っています。妖怪は場所に出現し、幽霊は人につくという区別をしており、その理由や例を挙げています。また、妖怪は時刻や相手をえらばないが、幽霊は夜中や特定の人に現れるという特徴も指摘しています。さらに、黄昏時にすれ違う人が妖怪でないことを確認するために使われる言葉の意味や由来について、違う人が妖怪でないことを、確認するために使われる言葉が、「彼は誰」や「誰ぞ彼」などの固定した形であることや、「ウソウソ」や「ケソケソ」などの意味深な表現であることを示しています。これらの言葉が人の顔がはっきりしないことを意味しており、その発想の延長上に妖怪の存在が見えてくることを説明しています興味深く解説しています。の考察や文化史的な観点は興味深いものです。

つぎに現代妖怪研究の第一人者である小松和彦氏『妖怪文化入門』からは。この本は、妖怪を日本文化や人間の心性と関連づけて解説した本。小松氏は、妖怪を「あやしいもの」や「怪異」と定義し、その多様性や魅力を説明するとともに、歴史的に妖怪を研究した先人の研究スタンスを紹介し、それぞれの特徴や違いを分析しています。また、憑きもの、妖怪、河童、鬼、天狗と山姥、幽霊、異人・生贄、境界といったテーマについて、著者自身の文化研究の足跡を簡潔にまとめています。日本文化や人間の想像力について言及したものといえるでしょう。

妖怪を題材にした人気小説家である京極夏彦氏の『妖怪の理 妖怪の檻』。この本は妖怪に関する膨大な資料と知識をもとに、その定義や歴史や文化を深く掘り下げたものです。京極氏は、妖怪についてマニアックな視点からも捉えており、その論旨は驚くほどに詳細であります。彼は、妖怪を定義することができないと結論づけているも、現代人において妖怪のイメージを植え付けるに決定的な役割を果たした「ゲゲゲの鬼太郎」で、お馴染みの水木しげる氏の、仕事に言及していきます。彼は、水木しげるが妖怪をキャラクター化し、通俗的娯楽的な世界に登場させたことで、妖怪の認識や受容が大きく変化したことを示しています。

そして、通俗的な妖怪は必ずしも不思議である必要もないし、怪しくある必要もない。それらの条件を満たしたキャラクター=モノを主に「妖怪」と呼んでいるし、また、文脈の中で「妖怪」という言葉を接続した瞬間に、モノを示さない言葉も「モノ化」してしまう。妖怪という言葉は江戸から現代に至るまでの長い時間をかけてきたものの、結局、現状は明確に何も示してはいない。それは、ただ、ある条件を満たす印象をもたらすモノゴトに対して適用されるだけの言葉でしかないのだと結論づけているのでした。

妖怪とは何なのでしょうか?それは、簡単に答えることができない難しい問題です。妖怪という言葉が持つ魅力や意味の根底には、人間の想像力や好奇心の表れがあると思います。

少なくとも、妖怪とは日本文化や人間の心性に深く関わる存在であり、その定義や歴史や文化を深く掘り下げることは、日本文化や人間の想像力についてもっと知ることにつながるかもしれません。

妖怪とは何なのでしょうか?それは、あなた自身がどう考えるかによって変わるかもしれません。妖怪に興味を持つことは、どうやら、自分自身に興味を持つことでもあると言えそうです。

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