聖なる水の宗教=アガマ・ティルタ

リゾート地として人気のバリ島。このバリ島は大部分がイスラム教徒のインドネシアのなかで、古来のヒンドゥー教を維持し生活を営んでいる独特な文化を持つ島です。島の土着の宗教とインドからの外来の宗教とが混じりあったシンクレティズム、それがバリ=ヒンドゥー教なのです。

このバリ=ヒンドゥー教は、別名で聖なる水の宗教、アガマ・ティルタ、といわれているそうで聖なる水をとても重視すると言われています。バリ島、屈指のパワースポットで世界遺産でもあるティルタウンプル寺院は、「聖なる泉が沸く寺院」として、観光客にも開放されているため、その聖なる泉の水を浴びようと多くの人たちが、そこで沐浴をしています。

この泉は不老不死・無病息災の力があると信じられているのです。

私も沐浴の体験をしました。お供え物をささげ、お祈りをした後、沐浴場に入ります。幾つかある水が湧き出る口があるのですが、左から順番に聖水を浴びていきます。最後の2つは死者のためのものであり使用することは禁じられています。

聖なる水による浄化体験は、心身ともにリラックスした状態になったのですが、沐浴した泉には魚やオタマジャクシなどがいたのは印象的でした。

そして同じく、聖なる泉が湧くのがグヌンカウィスバトゥ寺院です。雨が降っているときに行ったのですが、それでも、深い深い緑の森に覆われ、寺院の建物や池などがそれらと調和していて、とにかく美しかったのです。こんな美しい寺院は体験したことがないくらいと感じるくらいで、このグヌンカウィスバトゥ寺院も沐浴ができる沐浴場があります。とにかく、そこにいるだけで癒される寺院、もう一度バリに行く機会があるならば、このお寺で沐浴してみたいと思いました。

美しいサンセットが有名な海沿いに立つタナロット寺院。ここはバリ島でも定番の場所なので多くの観光客がいました。引き潮時には、寺院が建つ岩場のふもとまで歩いていくことができ、聖水が湧く泉があり、そこで聖水をかけて浄化してもらうことができ、私もお清めをしてもらいました。

アガマ・ティルタ、聖なる水の宗教と呼ばれているバリ=ヒンドゥー教の、極々ほんの一端をかすらせてもらったに過ぎないのですが、人間は60~70%は水であり、水なしでは生きていくことができないのですから、どうしたって人は水に特別な意味をこめて、聖なる水を求めるのは根源的な行為なのだといえるのだと思うのです。

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