シャバダバ・スキャットで踊る美女と泥棒

映画「続・黄金の七人 レインボー作戦」(1996年)

■製作年:1966年
■監督:マルコ・ヴィカリオ
■出演:フィリップ・ルロワ、ロッサナ・ポデスタ、他

映画が公開された時はまだ私は子供だったのでわかりませんが、「黄金の七人」の続編が作られたというのは、それが好評だったからということなんだと思います。

この続編はキューバのカストロを思いっきり想起させるパロディで、黄金の七人の盗賊はなんと、共産主義政権と対峙するアメリカ政府からの依頼を受ける。東西冷戦真っ只中の当時を笑うかのような映画です。泥棒が政府からの依頼を受けるというパロディ。

この共産主義の指導者をお色気大作戦でメロメロにしてしまい、おまけにソ連と想起させる国からの秘密裏による、対資本主義勢力に対する戦闘支援金としての純金を強奪しています。ここで映画は主義思想と関係なく男は女の振りまくフェロモンに判断を見誤っていくという本能には勝てないということを笑っています。

この色仕掛けの美女、前作も書いたけど峰不二子に似ている。しかし、こんかいのこの美女は、着る服やその時の気分によって眼の色が変わる。このアイデアは面白い!魔性の女の魔性の部分をわかりやすく表現している。

主義主張というものはとても大事なものだけど、人間の基本的な欲求が満たされないとうまくいかない。そして理念として平等の世の中をめざしたはずが、今度は体制を維持することと権力を手にしたことによりあらぬ方向に突き進んで行くのが世の常ということですね。

映画を観ていて音楽がとても魅力的なのでCDを購入してしまいました。シャバダバ・スキャット、このチープな感覚が今もいいなと思えるのは、どこか普遍的な響きを持っているからということでしょう。音楽は誰かというとアルマンド・トロヴァヨーリという人。この響き、やっぱり「ルパン三世」を感じさせてくれる。

しらべると「ルパン三世」は「黄金の七人」の影響を大きく受けているらしい。やっぱり。日本の偉大なアニメに影響を与えたこの作品、どこかお気楽な感じがしてそのけだるさがいい。好きな映画の1本となりました。

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