ミラーワールドとコモングランドの多層世界

「多層世界の歩き方」展(ICC)

「現実世界と情報世界、さらにその媒介となる「コモングラウンド」を多層的な世界としてとらえ、この情報空間をどのように「歩く」ことができるのか」

「コロナ以後、ミラーワールド時代の到来、といった時代状況に影響を受けた、情報から感じるリアル、リアルから感じる情報の間を往き来する、これからのリアリティ」

上記は NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]で開催していた(2月27日で終了)「多層世界の歩き方」という展覧会のチラシに書いてあった文章の抜粋です。

コロナ禍になり、 人はマスクをしてコミュニケーションの制限がかかり、オンライン会議やキャッシュレスなどデジタル化が一気に進み、明らかに生活空間に変化がみられるようになりました。その先に見えてくるミラーワールドとコモングラウンド。

現実と情報空間=ヴァーチャルが融合したさらなる世界が広がろうとする時代に、現代アーティストはどのような作品を提示するのか?そんな興味がありこの展示を観に行きました。それぞれのアーティストの問題提示型の作品が並んでいましたが、そのどれもが映像と切り離すことができない、映像がパーソナル化しデータベースを活用することで、新たなるバーチャルな映像世界を提示する。どれもが均質な空間となり、匿名性の体験となっていく世界。

ミラーワールドとは、現実世界と同じデジタルな世界がツインであることを指す言葉ですが、ルイス・キャロルは「鏡の国のアリス」でミラーワールドならぬ鏡の向こうに不思議なパラレルワールドを150年以上前に構築していたんだなと思うのでした。

しかし、多層世界の進行は全く考え方が違い、同じ嗜好性を持った人間のグループ、「トライブ=族」化が、より進んでいっているような気がします。分断とはよく聞くキーワードですが、実は、あそこでも、ここでも分断が起きているように思います。多層とは縦軸の層なのだと思いますが、横軸もその影響を受けているよと、この先どうなっていくのか?とコロナ騒動、米大統領選、オリンピック、ウクライナと世界は横軸でも揺れているような気がしています。

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