ブラックかつシュールな映像詩に魅了された
映画「さよなら、人類」(2014年)
■製作年:2014年
■監督: ロイ・アンダーソン
■出演:ホルガ―・アンダーソン、ニルス・ウェストブルム、他
「さよなら、人類」とは、1990年に「たま」というグループが大ヒットさせた歌ではない。さよならの後に句点が入る、映画の方のこと。同じく映画の「ホモサピエンスの涙」で映像詩といえる独特な作風で、この監督の映画は面白い!と思ったことによりとても興味を感じたことによります。
誰かというとスウェーデンの映画監督ロイ・アンダーソン。彼の監督による映画「さよなら、人類」は、その作風も「ホモサピエンスの涙」と同様でした。実に味わい深いこの映像詩、2014年の第71回ベネチア国際映画祭で最高の金獅子賞を受賞した不条理コメディなのです。
エンターテイメントの職業ですと面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンの二人。彼らは行く先々で様々な人生を目撃する。
あるいは、一昔前、いつの時代?と思われるスウェーデン国王率いる騎馬隊が、現代のバーに現われる。馬がそのまま店内に入って来るのは、ある意味で予測をしていなかった驚きの映像。
全てがスタジオによる撮影でワンカットワンシーンというから、こだわりが半端ない。細部まで計算され尽くしたであろう映像の力。ロイ・アンダーソン監督のブラックかつシュールな映像詩に魅了されました。凄い映画監督だわ。