独特の色彩感覚に心を奪われたベルナール・ビュフェ

「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」( Bunkamura )

画集など写真で見る美術作品と実際に目にする美術作品には、大きな隔たりがあることを強く認識したのが、既に会期は終了しているBunkamuraで開催されていた「ベルナール・ビュフェ回顧展」に行った時のことです。ビュフェの絵について写真で見ている限り、これまでいいなとは感じられなかったのですが、実物の絵を見た時、なんて素晴らしい絵なんだろうと感じたのでした。

ビュフェの絵の多くはモノトーンを基調としたものなのですが、そこにわずかに配色された色が実にいい感じで、研ぎ澄まされたセンスを感じるとともにとても鮮やかな印象を持ったのでした。一言で言えば、輝いていた。そう、ビュフェの絵は光輝いていたのです。

この輝きは写真などではとても伝わらない存在感と言えるでしょう。さらに、どちらかというと対象をデフォルメした平面的な描き方なのですが、キャンバスに塗りたくった絵の具が盛り上がている。そうした質感はもちろん写真では伝わりません。

この展覧会は静岡のベルナール・ビュフェ美術館の収蔵品で構成されたものといいますが、この美術館は世界で一番多くのコレクション数を所持しているとのこと。20世紀後半フランスを代表する画家ビュフェは、日本人好みの日本人に愛されたアーティストだったんですね。

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