聖書と絵画の関係はまるで大河ドラマのように

私はたまに美術系の雑誌を買うのですが、「芸術新潮」1月号は、赤い背景にイエス・キリストの肖像画の表紙で、書店でも一際目立っていていました。世界で最も読まれている書物「聖書」、そして歴史上においても最も影響を与えた書物といっても過言ではない「聖書」。

西洋美術においても、この聖書をテーマにした絵画が多く描かれています。当初は教会の信仰の手段として、布教のためにという宗教画として。そして、美術が一部のパトロンのものから離れていくにあたり、産業革命を経て資本主義の時代となり、聖書をめぐる絵画も大きく変化していきます。それは同時に西洋哲学がモダンからポスト・モダンへと変化していくのに歩調を合わせるかのように。

人生における諸場面における根源的な問題をテーマにしたとき、あるいは、人類に多大な影響を与えた聖書の世界をパロったように新解釈するアーティストが出てきたりと、聖書が生まれて3,000年が経過しても、今なお無視することができない存在として、信仰と言う枠組みを超えて私たち人類の精神的活動の中心部分に位置しているのは間違いないのだと思います。いかに多くの聖書に影響された絵画が描かれてきたのか、さらには、文学、音楽、演劇、映画といった文化的活動にも・・・。

私はクリスチャンではありませんが、この聖書について「芸術新潮」では時々に取り上げて紹介しているので、特集された号は興味深く購入しています。

手元にある本を見てみると
2021年1月号・芸術新潮【絵で見る、愉快な 新約聖書キャラ列伝】
2017年8月号・芸術新潮【新・仁義なき聖書ものがたり 新約聖書ウルトラミラクル・ガイド】
2016年1月号・芸術新潮【仁義なき聖書ものがたり 旧約聖書ヴァイオレンス・ガイド】

といった具合です。

キャラとか仁義なきとかいった修飾語で飾られた上記の聖書の世界は、それだけ豊穣性を持っていて想像力がかきたてられるということ。ページをめくってみても、ええっ?!という表現があったりするのですが、識字率が低かったその昔、今で言えば、教科書に出てくるだけでの織田信長や明智光秀にリアリティを感じなかったので、大河ドラマでそのキャラクターを肉付けしていったように、当時の民衆も大河ドラマをみるような感じで聖書の物語を民衆は感じ取っていたのかもしれません。

2016年1月号・芸術新潮【仁義なき聖書ものがたり】より
2017年8月号・芸術新潮【新・仁義なき聖書ものがたり 】より
2021年1月号・芸術新潮【絵で見る、愉快な 新約聖書キャラ列伝】 より

ところで、その聖書ですが、ユダヤの古い言葉であるヘブライ語(ヘブル語)で書かれており、イエス・キリスト後にはギリシア語でも書かれ、やがて世界に伝承されていきます。そのヘブライ語、ギリシア語の各文字は数字に対応しており、聖書を数字で解読していくのがゲマトリアという数秘術です。

666は悪魔の数字って聞いたことがありませんか?昔「オーメン」という映画があって666という数字が世間的にピックアップされたことがあります。しかしゲマトリアによると666は単純に悪魔の数字という以上の意味合いがあり、これが奥深く知れば知るほどビックリするのです。

<聖書に隠されている数字の謎>

■三角数
1=1、1+2=3、1+2+3=6、1+2+3+4=10といったように、連続する整数の和、3、6、10という数のことを指します。この三角数が聖書には実に多く登場するというのです。

■数学的完全数と聖書的完全数
自身を割りきることができる数を全部足すと、また同じ数に戻る数を指し、またその数は三角数でもある数字が数学的完全数です。
例:28という数字は上記の7番目の三角数であるとともに1+2+3+4+5+6+7=2828を割りきれる数は、1、2、4、7、14がある、それを全部足してみると1+2+4+7+14=28と、このように28に戻る数が数学的完全数で、三角数でもあります。
また、聖書的完全数とは、完全数と完全数から成立する数字のことで、「聖書」では数学的完全数と聖書的完全数がある意味合いを持って登場してくるといいます。
例:7=6+1(完全数6と完全数1で成り立つ)

■立方体数
立方体の体積を求める時に一辺の長さを3乗します。立方体数とは整数を3乗した数を指します。
例:2の3乗=8
そして「聖書」ではこの立方体数と三角数、数学的完全数が奇跡のように構成されているというのです。

■六芒星数
ユダヤのシンボルである六芒星。六芒星数とは小さな三角形(または点)を六芒星の形に集める時に現れる数字を指します。
ここにはイエスとサタン(ルシファー)の関係性を見ることができるといいます。

■四面体数
四面体とは三角数を拡張したもので、三角形の面を立体的に重ねると四面体(三角錐)が生まれます。この四面体はどの面も三角数になっていますが、また、階層構造になっておりそこに現れてくる数字を指します。この四面体数は、聖書が提示する歴史観に大きくかかわっており、数秘的意味があるといいます。

詳しくはこちらから⇒ 聖書に隠された数の暗号~ザ・シークレット・オブ・バイブル・ゲマトリア~

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