背徳の香りに眩しい陽光と哀愁のメロディが乗る

映画「太陽がいっぱい」(1960年)

■製作年:1960年
■監督:ルネ・クレマン
■出演:アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ、多

1960年というから今から60年前の映画。多少テンポが悪いかな、と感じつつも今見ても充分面白い。主役のアラン・ドロンが天下一品の二枚目なので、それだけでも画面が充実している。やはり美男美女がスクリーンの画面を飾るというのは一つの重要な要素だなとこの映画を見て思う。

やはりこの映画は、アラン・ドロンの魅力と太陽がいっぱいな地中海の美しい風景、そしてサスペンス的展開と哀愁漂う音楽。

貧しく奴隷のように扱われる主人公のトム(=アラン・ドロン)の切なくも野心に燃え犯罪を犯してでも、次々にいろいろなものを手に入れていこうとする過程や、叶わぬ相手と知りながらひたむきにマルジェの関心を得ようとする行動が、背徳の香りとともに強烈な魅力を放っています。

公開当時、この映画で一気にアラン・ドロンの魅力の虜になった女性も多いのではなかと想像します。なんせ1960年はまだ、私が生まれていなかったので。

忘れ難いラストシーン。美しい浜辺に整然と並ぶパラソル。青い海と白い砂浜の対比。そこで、すべてを手に入れ「太陽がいっぱいでね。それ以外はいい気分だ。」とくつろぐトム。来るべき破滅の前と哀愁漂うニーノ・ロータのメロディ・・・。

美しき若者の挫折を描いた古典的名作ですね。

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