時は大切にのおとぎ話か?「未来は今」

映画「未来は今」(1994年)
■監督:ジョエル・コーエン
■出演:ティム・ロビンス、ジェニファー・ジェイソン・リー、ポール・ニューマン、他
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の映画「未来は今」について、これまでシリアスな映画しか見ていなかったので、正直、この映画を観たときはとまどいました。私はこれを期待していたのではないと。
いかにも作り物というイメージ全編が固められています。突然、巨大企業の社長が飛び降り自殺をするとこらから、始まるのですが、この社長ラストでまったく違う形、天使のすがたで登場します。映画はおとぎ話のようなファンタジー&コメディに仕上がっています。
ポール・ニューマン演じる辣腕の役員は、あえて救いようのないマヌケを新社長に据えて、株価を暴落させて会社を乗っ取ろうとします。そこで選ばれたのが、ティム・ロビンス演じる新入社員。彼は操り人形の役割でしたが、フラフープを発明し、会社は飛躍的発展、一躍、時の人となった新社長は、環境も変わり、勝って兜の緒を締めよなんてどこ吹く風、自堕落さ。突然の成功は人をだめにしてしまうんだなと教訓的です。この後、フラフープのアイデアはパクリだと、でっちあげられ、もてはやされた新社長はペテン師のレッテルを貼られ、どん底に落ちていきます。
ここでフラフープを発明した人がモデルになっているのかな?と思いましたが、調べてみるとそうでは、ありません。完全なフィクション。実際のフラフープは、玩具会社の創設者たちがオーストラリアの竹製玩具をヒントに、プラスチック製として発売したものであり、誤解を招くような話だなと思いました。
間抜けな新社長が子供でもわかると豪語して見せる設計図は、ただの円。円??この疑問符が、フラフープとわかったときは、えーっ、なるほどなー、と思ったのですが、これほんとのことなの?という感じも抱き始めます。売れれば勝ちの資本主義の危うさ、価値の危うさを思わさせます。
そして失意のどん底に陥ったマヌケ社長は、ビルから飛びおり自殺をはかろうとしますが、ここで、なにそれ?という超自然的な演出が試みられます。それは時計の針を止めて、すんでのところで助かり、死んだ前社長が天使となって現れるという展開に、確かにこの映画、いかにも作り物的に作っているので、おとぎ話なんだなと思いますが、私自身はやりすぎだなと感じました。時間が止まる演出も、フラフープが登場したり、時計が登場したりと、魔法の伏線ははっていたんだなと思うのですが・・・。
ただタイトルにあるように、未来は今とあるように、未来は今の積み重ね。今、今、今・・・無限の今の積み重ねが、未来となるので、自殺を試みるも、時が一瞬止まり、助けられ復活した新社長の話を見て、今を大切にしよう!というおとぎ話が、この映画が伝えたかったことなのかな?と私なりに思ったりしました。

