やばすぎるメキシコ麻薬カルテルの恐怖が横行する街

ドキュメンタリー「皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇」(2013年)

■製作年:2013年
■監督:シャウル・シュワルツ

麻薬密輸ギャングが横行し、殺人事件が日常茶飯事に発生するやばすぎるメキシコの街ファレス。毎日どこかで見せしめで殺され、無残な形で放置される。映画では次々と遺体が出てきます。そしてそのほとんどが未解決のままだと言います。警察も覆面をしないと面が割れるから、狙撃防止のためだという。家族には18時以降は絶対に家を空けるなと指示し、警官は遺体処理のために駆り出されるかのよう、犯人を追訴するまで追いつかない・・・。

一方で、ナルコ・コリードという音楽ジャンルがありがあり、麻薬ギャングをヒーローとして歌っていて、それが大いに受けている。職もなく貧困の街では、ギャングらは成功者として崇められる、そこには恐怖と暴力の力で支配し、残忍なやり方による人殺しも辞さない。

このメキシコのファレスという街、川を挟んで向こう岸はアメリカのテキサス州。まるで川を挟んで、天国と地獄のよう・・・。

調べると「メキシコ麻薬戦争」というのがあって、麻薬組カルテル同士の縄張り争いや密売の取締を推進するメキシコ政府と麻薬カルテルとの間での武力紛争が絶えないということだ。メキシコにおける麻薬の密輸額はメキシコの主力輸出である石油と同程度の規模があるというのだから、利権をめぐり血を血で洗う事態となっている。このドキュメント映画で見ていても、凄まじい限りの人殺しが横行していることがわかります。

さらにネットでは、メキシコの前国防相が麻薬密売の罪で米国の検察に起訴されたという記事がありました。2020年10月の朝日新聞の記事なのでつい最近のことです。国防相として麻薬犯罪対策を指揮しながら、自身も麻薬組織のトップとして君臨し、エル・パドリーノ(ゴッドファーザー)の異名で呼ばれていたというのだから驚きです。

あくまで映画を見ている限りですが、それもあるテーマを持った映画なので一面的、部分的でしかないと思いますが、この末期的な状況であるメキシコやばいよと言いたくなってきます。映画は2013年製作なので、現在はどうなっているのでしょうか?強烈なインパクトを残したドキュメンタリーでした。ちなみに監督はイスラエルのカメラマンだと言います。

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